はじめに
テレアポの声は、感情の表層です。
その波が乱れれば、どんなに丁寧な言葉を選んでも伝わりません。
声の高さ、強さ、速さ。
この三つの波を整えることが、信頼の土台をつくります。
声の高さを整える ―― 共鳴を生む“低音”の力
声が高くなると、私たちは興奮や緊張の状態に入ります。
アドレナリンが分泌され、呼吸が浅くなり、言葉が上ずる。
お客様にとってその“高音の波”は、焦りや圧として届きます。
声を少し低く保つだけで、空気が落ち着きます。
丹田に重心を置き、腹式呼吸で音を支える。
それだけで、副交感神経が反応し、安心が生まれます。
ただし、声は常に低ければ良いというものではありません。
状況によっては、あえて少し高めのトーンで話す方が効果的な場面もあります。
たとえば、初対面での印象づくりやテンポの速い商談などでは、
高めの声が“明るさ”や“自信”として伝わることもあります。
声の高さを整えるとは、単に下げることではなく、
相手の心理状態や場の温度に合わせて“選ぶ”ことです。
その選択の幅こそが、信頼を生む柔軟性につながります。
声の強さを整える ―― 響きで伝える
強い声は、相手を押します。
弱い声は、相手に不安を与えます。
本当に届く声とは、「圧」ではなく「響き」で伝わるものです。
声の強さを整えるとは、意図を静かに通すことです。
大きく話すよりも、落ち着いた声の芯を持つ。
それは、呼吸の深さと心の安定に比例します。
声の強さは、信頼の重さ。
焦りや不安が抜けた声ほど、相手の心に届くものです。
声の速さを整える ―― 相手の呼吸に合わせる
早口は、理解よりも反応を求める話し方です。
ゆっくりと話すことは、相手を信頼している証拠です。
声の速さは、相手の呼吸速度とリンクします。
お客様の言葉のリズムを観察し、そのテンポに合わせる。
すると会話は、主張のキャッチボールから、呼吸の共有へと変わります。
声の速さを整えることは、相手の神経リズムを整えることです。
焦りの波を止め、安心の波を生む。
それが、プロの会話です。
声と神経のバランスを整える
声のトーンは、神経の状態をそのまま映します。
交感神経が優位なとき、声は高く速くなる。
副交感神経が優位なとき、声は低く穏やかに響く。
つまり、声を整えるとは、自律神経を整えることです。
感情の波を抑えようとするより、呼吸と声のトーンを落ち着かせる方が早い。
声の波を穏やかに保つだけで、相手の神経も静まります。
実践のヒント
今日の会話で「声の波」を感じ取ってみてください。
声を低く、ゆっくりと。
呼吸の深さが変わるたびに、相手の表情も変わっていきます。
伝わる言葉は、整った声の上にしか成り立ちません。
声を整えることは、感情を整えることにつながります。
感情の波が静まったとき、言葉は初めて“届く力”を持ちます。
コミュニケーション・ラボ
Communication Lab SAKITA
テレアポアーティスト(テレアポ改善コンサルタント) 咲田哲良(さきたあきら)
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著者プロフィール: テレアポアーティスト(テレアポ改善コンサルタント)咲田哲良のプロフィールはこちら

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