テレアポを30年続けられた理由 ― 継続を生む「楽しむ力」の構造 教育シリーズ第三章

テレアポ30年咲田哲良アーティスト

はじめに

テレアポの仕事を30年続けてこられた理由を聞かれることがあります。
答えは、技術でも根性でもなく「楽しむ力」です。

ただし、ここでいう“楽しむ”とは、娯楽のような軽い意味ではありません。
それは「日々の小さな発見に気づける構造を持つこと」
本稿では、その仕組み教育的な視点で整理してお伝えします。

目次

苦手意識が感受性を育てる ― 継続の第一要素

私はもともと、人と話すことが得意ではありませんでした。
テレアポの仕事を始めた頃から、「上手に話すこと」より「どうすれば相手が安心して話せるか」を考えていました。

この“苦手意識”こそ、継続の第一要素です。
話すのが得意な人は、自分の表現に意識が向きます。
一方、苦手な人は自然と相手を観察する力が育ちます

テレアポは、自己表現ではなく他者理解の仕事です。
観察力が磨かれれば、どんな相手とも安定した会話の流れを作ることができます。
苦手を否定せず、観察の起点に変えることが、続ける力を生む最初の一歩です。

聴く力の構造 ― 感情認知と行動設計

テレアポの現場では、「話す力」よりも「聴く力」が試されます。
相手の言葉の裏にある感情を聴き取れるかどうかが、信頼を築く鍵です。

聴く力には3つの層があります。

音声情報(トーン・間・スピード) ― 状態を把握する

言語情報(言葉選び) ― 動機を理解する

非言語反応(沈黙・息づかい) ― 感情を察する

この3層を意識的に観察することで、相手の心理を立体的に把握できます。
それは「分析」ではなく「同調的理解」
相手の感情を感じ取ることは、テレアポの継続に直結する“知的な楽しさ”を生みます。

楽しむ力=発見する力

テレアポを楽しむというのは、結果を楽しむことではありません。
むしろ、相手の反応を観察し、日々の小さな違いを発見することにあります。

心理学でいう「探索的学習(Exploratory Learning)」のように、
“相手によって反応が異なる”こと自体が学びの連続です。

たとえば、同じ提案でも相手が違えば反応のトーンが違う。
その差を記録し、翌日のトークに反映する。
この“仮説と検証のサイクル”が、仕事を続ける原動力になります。

テレアポを続けるとは、日々の会話を「実験」として楽しむこと。
この姿勢が、長期的な成長と安定につながります。

続ける人に共通する3つの習慣

テレアポを長く続けている人には、共通する行動パターンがあります。
それは「努力」ではなく「設計」の問題です。

1. 観察を怠らない

相手の言葉や反応を記録し、感情の流れを読み取る。

2. 結果ではなく過程を楽しむ

アポ獲得よりも「どう変化したか」を重視する。

3. 休むことを恐れない

継続とは、途切れずに続けることではなく、“戻ってこられる仕組み”を持つこと。

この3つの習慣は、単なるモチベーション管理ではなく、仕組みとしての継続力を作ります。

結論 ― 継続とは“感じる構造”である

30年続けて感じるのは、結局「話す力」よりも「感じ取る力」が人をつなぐということです。

感じるとは、受け取る構造を持つこと。
聴く、観る、間を感じる――その全てが「感じ取る力」の一部です。

この感受性を構造化できたとき、人は仕事を“続けられる”のではなく、“続けたくなる”。
それこそが、テレアポにおける真の楽しむ力だと私は考えます。

コミュニケーション・ラボ
Communication Lab SAKITA

テレアポアーティスト(テレアポ改善コンサルタント) 咲田哲良(さきたあきら)

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著者: テレアポアーティスト 咲田哲良(さきたあきら)
営業と教育を「整える力」で再構築する活動を展開中。
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この記事を書いた人



咲田 哲良
テレアポアーティスト電話応対・営業教育の実践研究者


「テレアポをアートの域まで高めたい」という信念のもと、
取れる人のコツを構造的に整理し、現場で実践できる形で発信しています。


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