『頭では分かるのに口に出せない』の正体 ― うまく話せない恐れは技術不足ではなく“構え”から始まる

頭ではわかる

テレアポの現場で、何度も見てきた光景があります。
説明すると内容は理解できている。言葉の意味も分かっている。
それでも、いざ通話を想像した瞬間に言葉が出てこなくなる。
「頭では分かるのに、口に出せない」という状態です。

このとき起きているのは、話し方の問題ではありません。
多くの場合、話す前の“構え”が固まっているだけです。

うまく話さなければいけない。
間違えたらどうしよう。
相手に変に思われたくない。

こうした意識が先に立つと、言葉を探す前に体と声が止まります。
結果として、簡単な一言ほど重く感じられ、口に出せなくなります。

通話直前の30秒ルーティン(通話前作業)

通話の出来は、電話が鳴る前にほぼ決まっています。
私は、通話直前の30秒を「状態を整える時間」として扱っています。

まず、呼吸です。
深く吸おうとする必要はありません。
ゆっくり吐くことだけを意識します。吐く時間を少し長く取るだけで、体の力が抜けます。

次に、姿勢です。
背筋を伸ばすのではなく、肩と首の力を落とします。
顎が前に出ていないかを確認し、目線を少し下げます。
これだけで声の通りは大きく変わります。

最後に、最初の一言を決め打ちします。
アドリブを考えません。
「最初にこれだけ言う」という一文を、頭の中で一度だけなぞります。
言葉を探さなくていい状態をつくることが目的です。

この30秒でやっているのは準備ではなく、
構えを解除するための下準備 です。

声の変化と相手の反応を同時に観察する(通話中の作業)

通話中に意識するのは、自分の声だけではありません。
相手の反応とセットで観察することが重要です。

まず確認するのは、自分側の変化です。

  • 声が必要以上に高くなっていないか
  • 話すスピードが早くなっていないか
  • 本来あるはずの「間」が消えていないか

これらは、自分が構え始めているサインです。

同時に、相手の声と反応 を見ます。

  • 相手の声量が下がっていないか
  • 相槌が減っていないか
  • 返答が短く、事務的になっていないか

ここで大切なのは、
相手の気持ちを当てにいくことではありません。
相手に起きている変化に気づくこと です。

もし相手の反応が薄くなっていたら、
話の内容を疑う前に、
自分の声やテンポが一方通行になっていないかを確認します。

逆に、相手の声が少し柔らいだり、
相槌が増えたりした場合は、
今の話し方が相手にとって「聞きやすい状態」だと判断できます。

会話が詰まるときは、どちらか一方しか見ていない

会話が噛み合わなくなるとき、
多くの場合は次のどちらかに偏っています。

  • 自分の話し方ばかりを気にしている
  • 相手の反応ばかりを追いすぎている

大切なのは、
自分の状態と相手の反応を、同時に俯瞰して見ることです。

コントロールしようとしなくて構いません。
修正しようともしなくて構いません。
「今、どうなっているか」に気づくだけで、会話は自然に戻ります。

話せない原因は言葉ではない

簡単な言葉が難しく感じられるとき、
原因は言葉そのものではありません。
安心して口に出せる状態になっていないだけです。

だから私は、テクニックを足す前に、
呼吸・姿勢・最初の一言・声と反応の変化を確認します。

基礎とは、話法を覚えることではありません。
話せる状態をつくることだと考えています。

頭では分かっているのに口に出せないと感じたときは、
言葉を疑うのではなく、構えを疑ってみてください。
そこを緩めるだけで、出てくる言葉は確実に変わります。

テレアポアーティスト(テレアポ改善コンサルタント) 咲田哲良(さきたあきら)

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著者: テレアポアーティスト(テレアポ改善コンサルタント) 咲田哲良(さきたあきら)
営業と教育を「整える力」で再構築する活動を展開中。
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著者プロフィール: テレアポアーティスト(テレアポ改善コンサルタント)咲田哲良のプロフィールはこちら

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この記事を書いた人



咲田 哲良
テレアポアーティスト電話応対・営業教育の実践研究者


「テレアポをアートの域まで高めたい」という信念のもと、
取れる人のコツを構造的に整理し、現場で実践できる形で発信しています。


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