感情を整える – アドレナリンとノルアドレナリン – 教育シリーズ第五章

感情を整える
目次

はじめに

難しいアポイントを3件取った夜、眠れなくなる。
それは心の問題ではなく、体内でアドレナリンが過剰に分泌されているためです。
営業やテレアポの現場では、この「神経のスイッチ」を理解していないと、
成果を出しても、心身がすり減っていきます。

アドレナリン ― 「戦う神経」

アドレナリンは、交感神経を活性化するホルモンです。
難しい相手に話を通したり、チャンスを感じた瞬間に分泌され、
体を「戦闘モード」に切り替えます。

声が強くなり、呼吸が浅くなり、思考が狭く集中する。
その瞬間の集中力は成果を生みますが、長く続くと眠れなくなるのです。
これは精神論ではなく、生理現象です。

ノルアドレナリン ― 「怒りの神経」

以前、若いアポインターに「咲田さんは悔しくないんですか?」と聞かれました。
私は「怒った方が損をしている」と答えました。
なぜなら、怒りの感情の裏でノルアドレナリンが分泌され、
脳が「危険状態」と判断してしまうからです。

一瞬の怒りは力になりますが、
ノルアドレナリンが過剰に出ると、判断力と冷静さが奪われます。
だからこそ、怒りを整える人が、結果として一番強いのです。

呼吸のスイッチを理解する

感情を整える最もシンプルな方法が「呼吸」です。

  • 胸式呼吸:緊張状態を維持し、交感神経を刺激する呼吸。
    話している最中やプレッシャー下では、自然と胸式になります。
  • 腹式呼吸:副交感神経を優位にし、体を“整える”呼吸。
    深く吸い、ゆっくり吐くと、アドレナリンの興奮が静まり、
    声のトーンが落ち着き、相手に安心感を与えます。

実は「丹田に力を入れて話す」というのは、
腹式呼吸で神経のバランスを取っている状態なのです。

ノルアドレナリンとアドレナリン

結論 ― 整えるとは、神経を味方にすること

整えるとは、感情を抑えることではありません。
自分の体と神経を理解し、状況に合わせて切り替えることです。

呼吸を整えることで、副交感神経が働き、
ノルアドレナリンが静まり、言葉に温度が戻ります。

声を整えるとは、神経を整えること。
呼吸を整えるとは、感情を整えること。
その積み重ねが、安定した成果を生むのです。

コミュニケーション・ラボ
Communication Lab SAKITA

テレアポアーティスト(テレアポ改善コンサルタント) 咲田哲良


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著者: テレアポアーティスト 咲田哲良(さきたあきら)
営業と教育を「整える力」で再構築する活動を展開中。
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この記事を書いた人



咲田 哲良
テレアポアーティスト電話応対・営業教育の実践研究者


「テレアポをアートの域まで高めたい」という信念のもと、
取れる人のコツを構造的に整理し、現場で実践できる形で発信しています。


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