先日、noteにて私も注力しているカスハラ(カスタマーハラスメント)対策について書きました。
本記事では、そこからさらに踏み込んで、より実務的・具体的な視点で考えていきます。
背景
カスタマーハラスメント(カスハラ)対策は、2025年6月4日に成立した改正労働施策総合推進法に基づき、2026年中の施行を目指して段階的に義務化される予定です。
そのため、 この義務化は企業だけでなく、フリーランスや業務委託で働く方にも対象が広がっています。
テレアポ特有の課題
インバウンドが「守り」のカスハラ対策である一方、テレアポをはじめとするアウトバウンド業務は“攻め”の業務です。
対策の難易度が非常に高い理由は、誰が「カスタマー(顧客)」にあたるのか関係性が曖昧なまま短時間で完結してしまうためです。
理由は明確です。
誰が「カスタマー(顧客)」にあたるのか、関係性が曖昧なまま短時間で完結してしまうためです。
「ガチャン」と切られて終わる――その一瞬で終わるやりとりが、実はアポインターの心に深い傷を残します。
また、個人情報に関する執拗な質問や、暴言に近い拒絶が続くと、
最終的には退職という最悪の結果を招くこともあります。
私は、成り手が少なく貴重なテレアポスタッフを、
このような不合理なハラスメントで失うことがあってはならないと考えています。
したがって、部署横断的に「組織で守る」体制づくりが急務です。
まず取り組むべきは「基準づくり」
一方で、 離職を防ぐためには、まず「どこからがハラスメントか」を識別するためのグレーゾーンの線引きルールを作る必要があります。
現場の誰もが判断できる簡単な基準を共有し、
被害が「個人判断」ではなく「組織対応」になるように仕組み化します。
カスハラ対策を実施していると言える具体的な方法
【準備編】
1. カスハラ対策方針をホームページ上に明示する
例)
- 「当社のカスタマーハラスメント対応方針」
- 「カスタマーハラスメントに対する基本方針」
明記すべきポイントは次の2つです。
- 「合理的な解決に向け、個々人の対応ではなく組織的に対応します」 と明言すること。
- 「警察や外部の専門家(弁護士等)と連携して対応します」 と記載すること。
この2点を明示するだけで、社員・スタッフが「守られている」と実感できる環境が整います。
【現場編】
1. 通話中の被害を即時把握する仕組み
通話中にアポインターが被害を受けた場合は、すぐにSV(スーパーバイザー)へ報告できる体制を整えましょう。
特に通話中であれば、通常の「手上げ」と区別できるサインを決めておくと効果的です。
たとえば、ペンを持って挙手するなどのルール化が現場では有効です。
2. 通話の録音(ログ)を必ず残す
録音は違法ではありません。
むしろ、被害状況を客観的に残すための最も有効な手段です。
個人情報保護法の観点でも、業務上必要な範囲であれば合法的に録音できます。
まとめ
- カスハラ対策は「法律対応」ではなく、「離職防止・人材定着」のための経営戦略。
- 特にアウトバウンド業務では、明確なルールと早期の組織介入が不可欠。
- 現場を守る仕組みを作ることが、最終的には企業の信頼と生産性を高めます。
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